2025年11月6日

欧州中央銀行、追加利下げを示唆 ユーロ安加速の懸念

欧州中央銀行、追加利下げを示唆 ユーロ安加速の懸念
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は6日の講演で、ユーロ圏経済の減速を踏まえ、追加利下げの可能性を示唆した。総裁は「インフレ率が目標の2%に向かって低下しており、経済成長を支援するために適切な措置を講じる用意がある」と述べた。この発言を受け、ユーロドルは1.07台まで下落し、年初来安値圏での推移が続いている。テクニカル分析では、ユーロドルが重要なサポートラインである1.0750を下回る可能性が高まっており、ここを割り込めば1.06台への下落も視野に入る。50日移動平均線と200日移動平均線がデッドクロスを形成しており、中長期的な下落トレンドが継続する可能性が高い。ボリンジャーバンドの下限バンドは1.0720付近に位置しており、短期的な反発の可能性もあるが、バンドウォークの状態が続く場合は更なる下落も予想される。MACD指標もマイナス圏で推移しており、売りシグナルが継続中だ。市場では12月のECB理事会での0.25%の利下げが確実視されており、来年も段階的な利下げが続くとの見方が優勢だ。一方、米国との金融政策の方向性の違いから、ユーロドルのパリティ(1.00)割れを予想する声も出始めている。
メディア: ロイター通信
著者: 欧州経済担当記者

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